てんせんめんの長期投資の旅

投資を学び、資産と自分自身の成長を 追及していきます

9435 光通信 2021年3月期Q1決算

8月13日に、光通信のQ1決算が発表されました。この企業、私は日本で有数の資本配分の上手い会社だと思っています。「企業価値はフリーキャッシュフローの現在価値の総和であり、企業価値を最大化するためにキャッシュフローの最大化を目指す」という、米国企業では当たり前の考え方を実践している、珍しい日本企業です。Berkshire Hathawayの会社HPと似たシンプルな会社HPなど、思わずニヤッとしてしまいます。

光通信の本質価値を算出するには、表面的な業績はあまり参考にならないと思います。決算説明資料では、営業利益=ストック利益ー顧客獲得費用と分解してあります。顧客獲得費用が増えれば増えるほど、今期の営業利益が減少し、将来の営業利益が増えます。足元の営業利益だけを見ていると、業績トレンドを見間違えるかもしれません。

さて、コロナの影響を受けた4-6月のQ1、OPはYoY-9%の225億円でした。健闘したけどやっぱり悪影響受けてるねと思うかもしれませんが、

昨年のQ1 OP246億=ストック利益270億 - 顧客獲得費用57億+その他33億

今年のQ1 OP225億=ストック利益324億 - 顧客獲得費用95億-その他4億

OP減益ですが、ストック利益が20%増え、しかも顧客獲得費用も大幅増している(つまり将来の利益が増える)好決算だと思います。同じOP減益でもストック利益が減り、顧客獲得費用も減っている減益とは大違いです。コロナの影響を受けて法人向けサービスが弱含むかと思っていましたが、今のところは全くの杞憂に終わりました。

「販売好調により獲得コストが増加し営業利益は減少しましたが、長期安定収益であるストック利益は増加しています。」というシンプルなコメントに全てが凝縮されています。日本一の営業力を持つ会社だとは思っていましたが、まさかコロナ環境下で販売好調とは恐れ入りました。