てんせんめんの長期投資の旅

投資を学び、資産と自分自身の成長を 追及していきます

6062 チャームケア 競合比較(ベネッセ)

老人ホームを運営するチャームケアを調べるにあたり、競合他社の状況を調べてみました。チャームケアの決算説明資料によると、ホーム数上位10社は以下の通り。上位10社でも市場シェア10%に満たない、まだまだ寡占化の遅れた業界になっています。

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まずは1位のベネッセから見ていきます。ホーム数の推移と年ごとの増減は以下の通りです。右肩上がりに順調に伸びてきていますが、最近では増加スピードが鈍化しているようです。業界最大手でも、チャームケアと同等の年間10ホーム以下しか開設できていないというのが印象的です。人手不足がネックなのでしょうか?従業員1人あたりの付加価値を高めるべく、高価格帯ホームを志向しているようで、チャームケアと戦略が重なるのは懸念点です。

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既存施設入居率は安定的に95%を維持していて、順調そうです。営業利益率も安定的に8~10%を稼いでおり、セグメント利益ベースROAも6~7%で安定しています。税率30%として、当期利益ROAは5%。財務レバレッジを2倍かけてROE10%を達成できます。

ベネッセは、通信教育事業(進研ゼミ)や語学事業(ベルリッツ)という主力事業がIT化による新規参入(タブレット学習やオンライン語学)に脅かされており、決算説明会でも介護事業についてほとんど言及されていません。「介護は順調です。それより大変なその他事業の話をします」みたいな感じ。決算説明の全てが介護事業に費やされるチャームケアとの差は歴然としています。

介護事業は全社利益の50%を安定的に稼ぐ屋台骨だと思うのですが、あまり力を入れているように見えないのは、チャームケアなど介護専業事業者にとっては朗報に感じます。新規ホーム開設を抑えて他事業の立て直しに資金を使ったり、ベネッセの精鋭社員が教育や語学の立て直しに奔走しているすれば、老人ホーム専業のチャームケアに投資する身としては有り難いです。