てんせんめんの長期投資の旅

投資を学び、資産と自分自身の成長を 追及していきます

6062 チャームケア 競合比較(SOMPOケア)

老人ホーム運営数ランキング2位はSOMPOケアです。もともとは2400 メッセージという上場企業でしたが、2015年にSアミーユ川崎幸町というホームで従業員が高齢者を転落死させた不祥事を受けて入居率が低迷。メディアを賑わせてしまった「アミーユ」から「そんぽの家」とブランド刷新し、大手損害保険会社であるSOMPO傘下での再建を目指してきました。

下のグラフ、左はメッセージの売上高(10億円)とSOMPOグループ介護事業の売上高推移です。右は、メッセージ時代の拠点数の推移です。2013年3月期からサ高住が急増しています。SOMPO傘下になってからは施設数の開示がなくなってしまいました。しかし、チャームケア決算資料ではSOMPOケアの施設数は278となっており、2016年3月から変わっていないようです。

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営業利益率を見ていくと、2013年3月期に大きく低下しています。サ高住の大量出店による先行投資だと思いますが、その後出店ペースが鈍化しても利益率が回復していない点が気になります。チャームケアも指摘しているように、介護付老人ホームの方がサ高住より収益性が高いという表れではないかと思います。

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SOMPOホールディング傘下で、SOMPOケアは周辺事業という位置付けになってしまいました。2020年3月期の経常利益1900億円のうち、介護事業は100億円しかないので、仕方ありません。決算説明資料全47ページのうち、介護事業は2ページしかありません。

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中期経営計画でも、介護事業は「入居率を高水準で安定させて、収益性向上フェーズ」とあり、規模を追う姿勢は感じられません。資金力があるSOMPOグループが新規開設に慎重な点は、チャームケア投資家にとっては朗報です。

チャームケアなど介護専業は、魅力があろうとなかろうと、成長のためには新規開設するしかありません。しかし、介護事業を他事業と比較して資本配分しているSOMPOホールディングのような会社が、介護事業に対して旨味がないと見ている可能性については注意する必要があると感じました。

 

(2020年8月30日追記)

2016年3月のメッセージ買収前に、2015年12月にはワタミの介護事業も買収しています。旧メッセージの施設は、老人ホームは「そんぽの家」、サ高住は「そんぽの家S」、旧ワタミの老人ホームは「ラヴィーレ」ブランドで展開しています。